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AT限定小型二輪 [ニュース]

排気量125ccまでのATバイクに乗れる「AT小型限定普通二輪免許」について、これを普通自動車免許保有者などが取得する場合の教習にかかる日数が、最短3日から2日に短縮される見通しです。すでに警察庁と国家公安委員会が、この内容を踏まえた道路交通法施行規則の改正案を確定しており、7月中にも施行される見通しのようです

 排気量125cc以下のバイクは「原付2種」と呼ばれ、地の色がピンクの原付ナンバープレートが交付される車両です。現状で普通免許保有者などがAT小型限定普通二輪免許を取得する際には、8時限の技能教習と1時限の学科教習が必要。1日あたりの技能教習が第一段階(基本操作および走行、計3時限)で2時限まで、第二段階(応用走行)で3時限までとされており、教習終了に最短でも3日を要しました。

 改正後は、1日のなかで所要の休息時間が設けられることで、1日あたりの技能教習が第一段階で3時限まで、第二段階で4時限までに引き上げ。教習終了までに必要な日数は最短で2日となり、週末の2日間で取得することも可能になります。

 法令改正にあたり警察庁が4~5月に実施したパブリックコメント(意見募集)には、「技能教習は継続的に実施したほうが習得しやすいため問題ない」「2日間で教習を修了できることは免許取得の利便性につながる」といった賛成意見や、「1日4時限の技能教習を受ける教習性の理解度には問題がある」といった反対意見など、計78件が寄せられました。

 警察庁は実験教習を行った結果、上限時間を1日1時限ずつ引き上げても安全性や教習効果への影響はないと認められたことを踏まえ、改正に至ったとしています。また、関係団体などからも、利用者の利便性を向上させるために、日程を短縮してほしいと要望があったとのことです。

「原付2種」免許の教習日程短縮へ 「世界標準」の125cc乗りやすく 「日本独自」50ccの今後は
3輪バイクのヤマハ「トリシティ125」。原付2種に分類される(画像:ヤマハ)。
125cc「原付2種」とはどんな存在なのか
 警察庁へ教習日程の短縮などを要望していた関係団体のひとつが、日本自動車工業会(自工会。東京都港区)です。自工会では2010(平成22)年から、警察庁への要望活動とともに二輪車の有用性の啓発などを行ってきたそうです。

 日本自動車工業会によると、原付2種はその多くが通勤・通学・業務上の移動手段などに利用されているとのこと。「スクーターやビジネスタイプのAT車(クラッチのないもの。「スーパーカブ」などを含む)が9割程度を占め、サイズ感や操作方法なども原付1種(50cc以下)に非常に近いものです。一方で原付1種と異なり、最高速度30km/h規制や第一通行帯の通行義務、二段階右折の規制がないことから、旅行速度が速く、都市部の移動手段として優れています」といいます。

 日本自動車工業会はさらに、燃費や経済性、自動車と比べて小さい走行空間など、都市部の移動手段として原付2種の有用性を挙げます。「125ccクラス(原付2種)は、アジアにおいては庶民の生活モビリティとして最もスタンダードなものであるほか、EU主要国でもその有用性を踏まえ、125ccクラス二輪車の免許条件が緩和されてきました。一方で日本では、免許取得の負担が重いことが、普及を阻む要因のひとつになっていると考えられます」とのことです。

 そのような状況があるなか、「AT限定小型普通免許を取る人は確実に増えています」と話すのは、指定自動車教習所である平和橋自動車教習所(東京都葛飾区)の担当者です。

「10年くらい前は『小型を取るなら普通二輪を取ってしまえ』と考る人もあり、AT小型限定を取る人は少なかったのですが、ガソリンが200円を超えたころ(2012年前後)を境に、マイカー通勤から原付2種に乗り替える人が増えたのです。メーカーも小型の投入を増やしています」(平和橋自動車教習所)

 加えて、都市部ではバイク駐車場などの整備があまり進んでおらず、大きなバイクが停めづらいことも挙げられるといいます。「自宅マンションは、大型バイクは停められないものの、原付2種は1種と同じ扱いでOKだから、といった理由で教習に来られる方もいます」(平和橋自動車教習所)とのことです。
教習にかかる費用はどれくらいなのでしょうか。平和橋自動車教習所では、AT小型限定で11万5000円程度だといいます。「これが普通二輪になると15万円台前半、普通二輪のAT限定ですと13万円台前半なので、実質2万円くらいしか変わりません。それでも、『これしか乗らないので』といってAT小型限定を取る人が増えています」とのこと。

 なお、MTの小型限定は教習料金12万3000円程度で、教習時間も2時間プラスになるそうですが、MTも受講者が増えているといいます。平和橋自動車教習所は、「原付の一回り大きいくらいというサイズに安心感もあるのかもしれません」と推測します。

 メーカーはどのように考えているのでしょうか。

 ホンダは、50ccの原付1種だった小型バイクの代表格「モンキー」を125ccクラスの原付2種で復活させるなど、「ご要望にお応えして125ccクラスを増やしています」とのこと。原付1種については30km/h規制、二段階右折などの規制が不便であり、原付2種の普及は「快適性の向上につながる」として、今回の教習日程短縮にも期待感を示します。

 一方の原付1種は、排ガス規制への対応などもあり、車両価格も上昇傾向にあります。生産量が減っていることを背景に、2018年3月にはホンダからヤマハへ向けた原付1種スクーターのOEM(相手先ブランド)供給も始まりました。両社は二輪分野において長年ライバルと目されていたこともあり、これには平和橋自動車教習所の担当者も驚いたといいます。

「原付1種は規制も車両規格としても日本独自で、125ccが世界のスタンダードです。生産ボリュームや販売価格を鑑みても、原付1種は特殊なマーケットになりつつあるかもしれません」(ホンダ)。

 ちなみに、今回の道路交通法施行規則改正に際してのパブリックコメントには、「普通自動車免許保有者については(原付と同様に)原付2種も運転できるようにしてほしい」という趣旨の意見もありました。これについて警察庁は、原付2種は普通自動車と同様の速度による走行や二人乗りが認められているなど、1種とは規制が異なり、運転に高度な技術を要するため困難であるとしています。


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